





私たちは誰もが毎日、ふと何気なく鏡の中を覗き込む。そこにはきっと、いつもと変わらない見慣れた自分自身が映っていることだろう。ところが、この映画の主人公ベン・カーソンが向き合った鏡はそうではなかった。ニューヨーク6番街に佇むメイフラワー・デパートの廃墟。5年前の大火災で焼け焦げたこの建物の内部には、暗闇の中で不気味にきらめく巨大な鏡が残されていた。そこに映し出されるのは、現実とは明らかに違う歪んだイメージ。妖しい魔力に引き寄せられるかのようにその鏡に触れたベンは、一瞬にして逃れようのない恐るべき運命に囚われてしまう……。
日常的かつ神秘的な“鏡”というアイテムを全編にフィーチャーした『ミラーズ』は、めくるめくミステリーと衝撃シーンの連続に全米が震撼したサスペンス・ショッカーである。突如として鏡に映る奇怪なイメージとメッセージ。それをきっかけに続発する原因不明の死亡事件。焼けただれたデパートの呪われた過去。やがて浮かび上がるひとりの少女の存在。主人公ベンは最愛の家族を守るために、これらの断片的な手がかりを結びつけ、鏡をめぐる忌まわしい秘密を解き明かさねばならない。鏡の向こう側に決して見てはいけない真実が広がっていようとも、もはや後戻りは許されないのだ。謎の先には戦慄が、そして戦慄の先には新たな謎が待ち受ける怒濤のストーリー展開に、誰もが釘づけにされるに違いない。
スクリーンに映るものすべてが恐ろしい!
窓ガラス、TVモニター、金属製のドアノブ、床を濡らす水の表面など、日常のあらゆる反射物を鏡に見立て、悪夢や妄想の中でしかありえないような不条理な恐怖が、まさかの現実レベルの出来事として繰り広げられる驚愕の光景…、映画が進むごとに猛然とエスカレートするスリルを体感して下さい!!

一年前までニューヨーク市警の刑事として活躍していたベン・カーソンは、人生最悪の時期を過ごしていた。同僚を誤って射殺したため停職処分を下された彼は、その後アルコールに溺れる日々を送り、今は妹アンジェラのアパートに居候している。そんなベンの切なる願いは、別居中の妻エイミーの信頼を回復し、何よりも可愛いふたりの子供との生活を取り戻すことだった。
人生を立て直す第一歩として仕事を探していたベンは、ニューヨーク6番街の一角にそびえ立つメイフラワー・デパートの焼け跡を巡回する夜警の仕事にありつく。このデパートは5年前の大火災で大勢の死者を出して閉鎖されたが、保険関係の法的手続きのため当時のまま現場が保存されているのだった。
焼け焦げたデパート内部はフロアのあちこちにマネキンが転がっていて、異様な雰囲気が充満していた。夜になるといっそう薄気味悪いその廃墟に足を踏み入れたベンは、すべてが朽ち果てた空間の中で、今なお美しい光沢を保つ巨大な鏡に引き寄せられていく。すると突然、全身を焼き尽くすような激痛がベンを襲う。どこからともなく聞こえてくる呻き声。鏡に映し出される焼けただれた女性の姿。それらは錯覚や妄想と片づけるには、あまりにもリアルでおぞましい体験だった。
